ASD傾向・読み飛ばしが多い子どもが文章を理解できるようになった家庭学習の工夫7選|感覚過敏・集中力の課題にも対応

家庭学習の工夫

「文章題を読み飛ばしてしまう」「設問の意味を正しく捉えられない」。ASD傾向や感覚過敏のある子どもにとって、文章の読解は大きなハードルになることがあります。わが家の息子(小3)もまさにその一人でした。

小学校に入ってから、「読んでいないのに答えて間違える」「設問の指示を無視して答える」といった場面が増え、家庭学習もストレスに。親としても、「ちゃんと読んで!」とつい口調が強くなり、悪循環に陥る日々が続いていました。

そんな息子が、今では「読んで理解する」ことに少しずつ自信を持てるようになった背景には、いくつかの工夫があります。この記事では、ASD傾向や感覚過敏がある子どもが、文章を理解しやすくなる家庭学習の工夫を、わが家の実例をもとに7つご紹介します。

1. チェックマーク読み:読んだ箇所に印をつける習慣づけ

息子はよく「途中から読んでない」状態で答えてしまうことがありました。そこで導入したのが、1文ごとに「✔」を入れていく“チェックマーク読み”。どこまで読んだかを視覚化でき、自分で「読んだ」という達成感も得られます。

2. 付箋で文を分割:読む量を減らして負担軽減

1文ずつ付箋で隠して読み進めることで、「読む量が多すぎる」という心理的負担が減りました。特に長文読解では有効で、集中力が保ちやすくなります。

3. 親が読み上げる:音読を“負担”から“理解”へ

音読をさせようとすると、感覚過敏の息子にはかえって苦痛になることも。そこで、最初は親がゆっくり読み聞かせ、子どもは聞いて理解するところからスタートしました。音声情報の方が入りやすい子には、こちらの方が効果的です。

4. 書き写しを1日1文:構造を意識しやすく

文章の構造や語彙を自然と身につけるために、1日1文だけ、好きな本や問題文を書き写すようにしました。たった1文でも、毎日続けることで集中力・処理力の向上につながりました。

5. 学習時間は15分以内:集中できる“短時間”を味方に

集中が切れる前にやめることで、「やりきれた!」という成功体験を残せます。15分という時間は、息子にとって“疲れすぎない”ベストタイムでした。

6. 感覚統合エクササイズで身体を整える

学習前にスターフィッシュやロッキングキャットなどの感覚統合エクササイズを5分実施。姿勢が安定し、学習中に身体がぐにゃぐにゃすることが減りました。体の準備は集中力に直結します。

7. 設問にマークをつけて、読む視点を明確に

「いつ?」「どこで?」「だれが?」などの問いの視点を設問にマーク。読み取るポイントが明確になり、文章の焦点がわかりやすくなります。

息子の変化と成長

最初は「読めない」「できない」と投げ出していた息子も、今では「ちょっとやってみる」と自分から言える日が増えてきました。付箋やマークなどのツールを使いながら、問題に向き合う姿勢が変わってきたのを実感しています。

チェックマーク読みや15分学習などを繰り返すことで、「できた」「読めた」という実感を積み重ねることができました。自信の芽が育つと、学習に対する前向きな気持ちも育っていきます。

読解力は一朝一夕には身につきませんが、「やってみたらできた」という積み重ねが、大きな自信になっているようです。

まとめ:読み飛ばしは工夫で乗り越えられる

読み飛ばしや集中の課題は、子ども本人の怠慢ではなく、認知の特性や感覚の違いによるもの。親が寄り添いながら工夫することで、「理解できた!」という成功体験が確実に増えていきます。

わが家の取り組みが、同じ悩みを抱えるご家庭のヒントになれば幸いです。

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