発達特性のある子どもとの家庭学習。よく聞く悩みのひとつが、「できない!」「やりたくない!」と子どもが拒否してしまう場面です。
我が家も最初はまさにこの状態。けれど、いくつかのステップを踏んでいくことで、少しずつ子どもが机に向かうようになりました。
この記事では、「やりたくない!」の壁を乗り越え、習慣づけに成功した具体的な方法をご紹介します。
「やりたくない!」は甘えじゃない
「うちの子、根性がないのかな…」と感じる方もいるかもしれません。
でも、発達グレーやASD傾向のある子の場合、「やりたくない」には深い理由があることがほとんどです。
原因の一例
- できなかった経験が多く、失敗が怖い
- 言葉の理解が遅れていて、何をすればいいか分からない
- 感覚過敏や集中のしにくさで、机に向かうこと自体がつらい
これらは本人の意思や努力ではどうにもならない部分もあります。
我が家で実践した「学習習慣づくりの5ステップ」
ここからは、我が家で試して効果があった5つのステップを紹介します。
ステップ1:とにかく「短く・簡単に」始める
最初は「1日5分」「1問だけ」でOK。ハードルを思い切って下げます。
Z会のワークでも、最初は問題を読まずに絵を見て一緒に話すだけでした。
ステップ2:「できた!」経験を積ませる
正解・不正解ではなく、「取り組んだこと自体」を褒めました。
「机に座った」「鉛筆持った」「1問見た」だけでも成功体験です。
ステップ3:やる時間・場所を決める
「朝ごはんのあと」「夕方のおやつ前」など、生活に組み込みます。
視覚タイマーやカレンダーを使って、予告してから動くとスムーズでした。
ステップ4:親子で一緒に取り組む
一人でやらせず、横について「お母さんも一緒にやっていい?」と声をかけると、安心して取り組めました。
ステップ5:できたことを記録・見える化する
シール表や日記で「今日できたこと」を可視化すると、モチベーションアップにつながります。
NG対応とその理由
効果がなかった、または逆効果だった対応も正直に紹介します。
- 「やらないとダメ!」と怒る → 抵抗感が増し逆効果
- ごほうび作戦だけで釣る → 習慣化が定着しない
- 他の子と比較する → 自信を失う
大切なのは、「やらせる」ことではなく「一緒に取り組む」姿勢でした。
「やる気」より「やれる環境」を整える
やる気が出るのを待っても始まりません。まずは行動しやすい仕組みを整えましょう。
- 感覚統合エクササイズで体を整えてから学習
- 机周りを整えて刺激を減らす
- 取り組む教材を子どもに選ばせる
「今日は算数?漢字?どっちにする?」と聞くだけでも、自分で選んだという感覚が育ちます。
使ってよかった教材・ツール
- くもん「ぐーんと文章題・読解」シリーズ:1日1ページで達成感がある
- Z会思考力ワーク:考える楽しさを重視、親子で取り組みやすい
- 教科書ワーク:授業内容の復習にピッタリ、定着力が上がる
- タイマー・シール表:目で見える進捗が嬉しい
まとめ:小さな一歩が大きな習慣になる
「できない!やりたくない!」と毎日のように言っていた息子も、今では「今日はZ会やる」と自分から言う日も出てきました。
最初の一歩はとても小さなもの。けれど、継続は力です。
焦らず、怒らず、子どものペースで。
親子で一緒に取り組む家庭学習習慣は、必ず未来につながっていきます。
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