「集中が続かない」「途中で席を立ってしまう」「やる気がない」
そんな悩みを抱えていた発達グレーの息子(小3・ASD・DCD傾向)が、
毎朝たった15分の漢字練習をルーティンに取り入れただけで、
驚くほど集中力が育っていった経験があります。
この記事では、漢字練習を選んだ理由、実際に行った方法、見られた変化について、
家庭学習のリアルな記録としてお届けします。
発達特性のある子が「集中できない」理由とは?
ASDやDCDの特性を持つ子どもは、集中が苦手とされることがあります。
その背景には、
- 感覚過敏・鈍麻による刺激の処理困難
- 切り替えが苦手で、一度注意が逸れると戻れない
- 「できるか不安」「ミスが怖い」などの心理的ブロック
…といった理由があり、「気が散りやすい子」「落ち着きがない子」と誤解されがちです。
朝の家庭学習に漢字練習を選んだ理由
我が家が取り組んでいた家庭学習の中でも、漢字練習は特に抵抗感が少なかった活動のひとつでした。
以下の理由で「朝のルーティン」にぴったりだと感じ、毎日15分だけ取り組むことに。
① ルールが明確で取り組みやすい
「読み・書き」が中心で、問題文の読解や応用が不要なため、心理的ハードルが低い。
② 短時間で達成感を得られる
1ページや数行の練習で「やりきった!」という満足感を得やすく、成功体験を積みやすい。
③ 運筆・筆圧・姿勢を整える練習にもなる
文字を書く行為そのものが、集中・姿勢・視覚の安定につながると考えました。
実際に行っていた「漢字練習」の方法
- 時間:朝食後すぐの15分
- 教材:■教科書対応の漢字ドリル(学年相当)
- 内容:1日1ページ/5~10語を「見て・書いて・声に出す」
- 進め方:必ず「読み→書き→書き取り問題」の順に進行
重要なのは、書く文字数を増やすより、丁寧さと集中を重視したこと。
最初は5分も持たなかった息子が、徐々に10分、15分と続けられるようになりました。
取り入れてから見られた変化
① 座って取り組む時間が明らかに増えた
学習初期は「まだ?」「疲れた」と中断していましたが、1ヶ月後には黙々と机に向かえるように。
② 姿勢が崩れにくくなった
毎朝同じ姿勢・書き方を続けることで、姿勢保持力と運筆の安定が見られるようになりました。
③ 「集中=できる体験」として脳にインプットされた
本人から「書いてると落ち着く」「集中できる感じがする」という発言もあり、感覚としての集中が育ってきたことを実感。
あわせて行ったサポートと工夫
- 環境:照明・椅子・足台を見直し、学習環境を整備
- 音声:漢字を音読させることで、視覚・聴覚・運動感覚の統合を図る
- 褒め方:「上手に書けたね」より「集中してたね」「最後までやれたね」などプロセスを褒める
集中力アップにつながったおすすめ教材
- 学年別 漢字ドリル(学研・くもんなど)
- 感覚統合エクササイズと組み合わせた家庭学習ルーティン表
- 「朝学習ルーティン」作成テンプレート(PDF付き)
習慣化のコツ:「やる気」より「時間と順番」
「やる気がある時だけやる」ではなく、やるかどうかを考えない環境づくりを大切にしました。
時間・教材・タイミングを固定することで、スムーズに“始められる”ことが集中の第一歩になったと感じます。
まとめ:小さな漢字練習がもたらした大きな集中の変化
- 発達特性のある子は「集中できない」のではなく「集中しづらい環境」にいる
- 毎朝15分の定型作業が、脳と体を「集中モード」に切り替える
- 家庭学習における“ルーティン”が、学習姿勢・気持ちの安定・自信につながる
「たった15分」「漢字だけ」と思わず、毎日続けることが最大の変化を生むことを、実感しています。
ぜひ今日から、朝の5分・10分でもできる漢字練習を取り入れてみてください。
コメント