発達特性のある子と家庭学習、我が家のリアルな工夫

「勉強しよう」と言っても、机に向かえない。やっと始めたと思えば、すぐに立ち歩く。集中できない。読み飛ばす。ケンカになる。

発達グレー、ASD傾向のある息子と向き合う中で、私が何度もぶつかってきた壁です。

この記事では、そんな「家庭学習がうまくいかない」状況を、どんなふうに乗り越えてきたのか、我が家のリアルな工夫と変化をお伝えします。

「同じように悩んでいる親御さん」のヒントになれば幸いです。

家庭学習がうまくいかない理由は「特性とのズレ」だった

最初に大切なことをお伝えしたいのは、家庭学習がうまくいかないのは「やる気がない」わけでも「甘えている」わけでもないということ。

うまくいかなかった我が家の最初の頃を振り返ると、息子には以下のような特性がありました:

  • 集中が続かない(DCD・ASD傾向)
  • 読み飛ばし・指示が通らない
  • 感覚過敏で姿勢が崩れやすい
  • 自信がなく「できない」とすぐに言う

これらの特徴は、一見「やる気がないように見える」ものです。でも実際には、学習スタイルや環境が子どもの特性に合っていなかったのです。

我が家のリアルな家庭学習の工夫5選

① 短時間×回数に区切る「集中の切れ目」を意識したスケジュール

「30分がんばろうね」と言っても、無理でした。でも「5分だけやって、終わったらタイマー鳴らすよ」なら動けた。

今は以下のようにしています:

  • 漢字5分
  • 感覚統合エクササイズ3分
  • 算数の計算5分
  • 休憩(お茶・深呼吸)

② スケジュール・目標を視覚化して見える化

「次なにやるの?」「もう終わった?」が多かったため、ホワイトボードで1日の流れと終わったらシールを使うようにしました。

本人が「見て分かる」ことで、安心して行動できるように。

③ 学習前に“体の感覚”を整える(感覚統合エクササイズ)

息子はじっと座るのが苦手でした。そこで、学習前にスターフィッシュエクササイズやクロスクロールを取り入れるようにしました。

たった3分程度の運動でも、「落ち着いてから勉強する」感覚が少しずつ身についてきました。

④ 読解・文章題は「音読+対話式」で取り組む

文章問題は苦手中の苦手でした。読むのがしんどく、何が問われているかも理解できず、パニックになる。

「一緒に音読して、わかる言葉で話し合う」ことで理解が進みました。

⑤ 「できた!」を見える形に。ホワイトボードとごほうび表

終わった学習をホワイトボードに「花マル」で書くようにしました。シールを集めて、一定数たまったらごほうびへ。

結果的に、「がんばったら嬉しい」が実感できるように。

教材も子どもの特性に合わせて選ぶ

スマイルゼミを使っていた時期もありましたが、「画面に集中できない」「適当に進める」ことが増えてやめました。

その後、以下のように使い分けるようになりました:

教材 合った理由 合わなかった理由
スマイルゼミ 音声・映像で刺激がある 集中できず形骸化
公文(ぐーんとシリーズ) 繰り返しで安心感 単調で飽きやすい
教科書ワーク 学校と連動しやすい 量が多いとしんどい
Z会思考力ワーク 親子で考えるスタイル 難易度が高い

実際に感じた変化と、まだ残る課題

  • 集中できる時間が5分→15分に
  • 自分から「やろう」と言う日が増えた
  • 「わからない」から逃げず、言葉で説明できるように

一方で、気分の波で何もできない日や、定着しない日もあります。

でも確実に、少しずつ変化しています。

同じように悩むあなたへ伝えたいこと

家庭学習は、「子どもを伸ばす」前に「親の心が折れそうになる」こともあります。

でも、変わるのは子どもだけじゃない。親の視点と関わり方が変われば、子どもの反応も確実に変わっていきます。

がんばらせない、がんばり方を変える。その一歩が、未来を変えます。

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