「姿勢が悪くてすぐ崩れる」「集中が続かない」「やる気が出ない」
そんな悩みを抱える発達グレーの息子に、家庭学習に取り入れて効果があったのが感覚統合エクササイズでした。
はじめは半信半疑でしたが、ある時期から学習中の集中・理解・姿勢・意欲に明らかな変化が見られるように。
この記事では、我が家がなぜ感覚統合を家庭学習に取り入れたのか、その理由と具体的な効果を体験談として詳しくお話しします。
そもそも感覚統合とは?
感覚統合(Sensory Integration)とは、視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・固有覚など、体が受け取った情報を「うまくまとめて使えるようにする力」のこと。
この力が未発達な子は、以下のような特徴を示すことがあります:
- じっと座っていられない
- 筆圧が弱い・強すぎる
- 音や光に過敏/鈍感
- 運動がぎこちない・バランスがとれない
- 集中力が続かず、感情が乱れやすい
まさにこれらは、うちの息子(ASD・DCD傾向あり)にも当てはまっていました。
家庭学習に支障が出ていた具体的な場面
小学校2年の終わり頃、以下のような問題が顕著になってきました:
- イスに10分と座っていられない
- 漢字や計算は得意なのに、文章題や記述になるとまったく集中できない
- 本人は「やりたくない!」と拒否しがち
当時は「甘えてる」「気合が足りない」と捉えてしまいがちでしたが、実は感覚の問題が学習に大きく影響していると後に知りました。
なぜ感覚統合エクササイズを始めたのか
学校での様子を担任の先生から聞いたとき、「姿勢が崩れる」「指示が入らない」と言われたことがきっかけでした。
発達支援センターの専門職の方から勧められたのが、家庭でもできる簡単な原始反射統合エクササイズと、感覚統合の動きでした。
そこで、まずは毎朝5分、学習前に1~2種目取り入れることに決めました。
実際に行った感覚統合エクササイズ
① スーパーマンポーズ
うつ伏せで手足を浮かせてキープ。体幹や背筋を刺激。
② ロッキングキャット
四つ這いで体を前後に揺らすことで、前庭感覚や重心移動を強化。
③ クロスクロール
右手で左ひざ、左手で右ひざを交互にタッチ。左右の脳の連携を活性化。
④ スターフィッシュ(仰向けVer.)
手足を大きく開閉する動き。原始反射(モロー反射など)を整える。
→ これらを組み合わせて1セット5〜8分の流れにしました。
家庭学習に組み込んだ方法とタイミング
- 朝食後、学習の前に5分だけ
- できる日は夕方にも追加
- 学習中に姿勢が崩れたら「1種目だけやろう」と声かけ
「勉強の前の“ウォーミングアップ”」として自然に生活に取り入れたことで、本人も違和感なく続けられました。
取り入れてから見られた変化と効果
① 姿勢が安定し、書くことへの抵抗が減った
以前はすぐ寝そべる・足を椅子にのせるなど落ち着かなかった息子が、徐々に15〜20分は姿勢を保てるように。
② 読み飛ばし・集中の途切れが減少
特にクロスクロールやスターフィッシュ後は、読解力や問題文への注意力が明らかにアップ。
③ 「できた!」という実感が増え、自己肯定感に
「今日は集中できた!」「最後まで読めた!」という本人の言葉が何よりの効果でした。
感覚統合エクササイズ+学習におすすめの教材
- 公文の文章題シリーズ(ぐーんと考える力がつく)
- Z会思考力ワーク
- 教科書ワーク+家庭用ルーティンシート(感覚統合入り)
「感覚から整える」は、発達特性の子の土台になる
私自身、以前は「運動?余計な時間じゃない?」と思っていました。
でも今では、感覚を整えることが、学習・生活・自尊心のすべてに関係していたと感じています。
発達特性のある子は、努力以前に「整っていないだけ」かもしれません。
感覚統合のエクササイズは、その“整える”手助けになります。
まとめ:家庭学習に感覚統合を組み込む意味とは?
- 集中・姿勢・読解力の基礎を「体から支える」
- 本人が無理なく取り組める“準備運動”になる
- 「できた!」という体験を増やし、学ぶ楽しさにつながる
感覚統合は特別な支援が必要な子だけのものではありません。
すべての子どもにとって「学ぶ体と心を育てるベース」。
ぜひ一度、家庭に取り入れてみてください。
コメント